数多くのアーティストのミュージック・ビデオを制作し、これまでにグラミー賞、MTV ビデオミュージックアワード、エミー賞を受賞しているJoseph Kahn(ジョセフ・カーン) 。 彼がこれまでに制作したミュージック・ビデオのYouTube再生回数TOP10をご紹介!
【名 前】Joseph Kahn (ジョセフ・カーン)
【本 名】Ahn Jun-hee (アン・ジュンヒ)
【誕生日】1972年10月12日
【出身地】韓国 釜山
【家族】妻 / 娘
監督になるまで
※ Joseph Kahn instagramより
韓国の釜山で生まれたJoseph Khan(ジョセフ・カーン)は、幼少期をイタリアのリボルノで過ごし、7歳の時に家族でアメリカのテキサス州へ引っ越してきました。
アメリカに引っ越してきた頃は、まだ英語が話せなかったジョセフは、毎日多くの映画やMTVを見て英語を勉強しました。
僕は学校の宿題をしている間も、常にMTVを流していました。でもミュージック・ビデオを見ているうちに、ビデオだけでなく、それを作っているディレクターの方が気になり始め、どんどん夢中になっていきました。その後、僕は映画製作者になることを決め、ニューヨーク大学の芸術部に進学しましたが、そこでミュージック・ビデオを勉強していたのは私だけでした。他の生徒達は、ミュージック・ビデオは映画ではないと言ったけど、僕は他の生徒達がが遊びに行く週末も、ずっとこもってビデオを研究していました。
ー ジョセフ・カーン インタビューよりー
ニューヨーク大学に進学したものの、ジョセフ授業料を支払うことができず、わずか1年で大学を中退。地元のヒューストンに戻ったジョセフは夢を諦めきれず、映画館で働きながら、地元のラッパー達のミュージックビデオを撮影し始めます。
※ Joseph Khan instagramより
僕がアーティストと仕事をする時に1番大事にしていることは、その人自身と仕事をすること。アーティストは一人ひとり個性があり、それぞれ考え方が違います。もし可能ならば、レコード会社や、周りの取り巻き達を排除し、アーティストと直接繋がって、お互いにテキストメッセージなどで1対1で話し合うというのが理想的なんです。
ー ジョセフ・カーン インタビューよりー
ジョセフの制作したミュージック・ビデオは徐々に評判を呼び、ジョセフは次第にラッパー以外のミュージック・ビデオも手掛けるようになります。
その後の活躍は言うまでもなく、Backstreet boys(バックストリート・ボーイズ)Janet Jackson(ジャネット・ジャクソン)、Destiny‘s child(ディスティニーズ・チャイルド)、Christina Aguirela(クリスティーナ・アギレラ )など数多くのアーティストのミュージック・ビデオを制作し、これまでにグラミー賞、MTV ビデオミュージックアワード、エミー賞を受賞し、UKミュージックビデオアワードでは生涯功労賞を受賞しています。
今回はジョセフがこれまでに制作した素晴らしいミュージック・ビデオの中から、YouTube再生回数TOP10をご紹介致します。
YouTube再生回数TOP10
⑩ 5.3億回 Britney Spears「Toxic」
※ Toxic YouTubeより。
第10位はBritney Spears(ブリトニー・スピアーズ)の「Toxic」
「Toxic」は2003年にリリースした4枚目のオリジナルアルバム『In The Zone』からのシングルカット曲です。
この曲は世界各国でチャート1位に輝き、2005年グラミー賞でブリトニーにとって初めてのBest Dance Recording賞を獲得した曲です。
ミュージック・ビデオは、1億円以上の予算をかけて制作され、ブリトニーのミュージック・ビデオの中では最も高いものとなっています。このミュージック・ビデオは、MTV ビデオミュージックアワード(2004)で、美術監督のChris Watts(クリス・ワッツ)はが“ベスト視聴効果賞”を受賞しました。
⑨ 5.9億回 Maroon 5 featuring SZA 「What Lovers Do」
※What Lovers Do YouTubeより。
第9位はMaroon 5 (マルーン5)がSZA(シザ)をフューチャリングした「What Lovers Do」
この曲は、マルーン5が2017年にリリースした6枚目のスタジオアルバム『RedPill Blues』からの3番目のシングルカット曲です。
アメリカのビルボード・ホット100で9位になり、フューチャリングのシザにとって、初めてトップ10以内にランクインした曲となりました。
この曲は、男性が女性を「What Lovers Do(恋人達がしているようなことを、僕らもしようよ)」と誘っているような内容で、ミュージック・ビデオでは歌詞の内容に合わせて、アダムがシザをずっと誘い続ける(追いかけ回す)という内容になっています。
⑧ 7.7億回 Taylor Swift「Wildest Dreams」
※ Wildest Dreams YouTubeより。
第8位はTaylor Swift (テイラー・スウィフト)の「Wildest Dreams」
この曲は、テイラー・スウィフトの2014年に発売された5枚目のスタジオアルバム『1989』からのシングルカット曲です。
「WildestDreams」は、ポップミュージック界の巨匠Max Martin(マックス・マーティン)とShellback(シェルバック)の共作で、恋人達の別れを歌っている内容です。
ミュージック・ビデオは、1950年代のハリウッド時代が舞台で、テイラーは女優役を演じています。アフリカでの映画撮影中に共演者と恋に落ちたテイラーが、撮影終了と共に恋も終わりを迎えてしまうという内容です。
このミュージック・ビデオは非常に好評で、2016年 MTV ヨーロッパミュージックアワードの“ベストフレッシュビデオ”にノミネートされました。
しかし一部からこのミュージック・ビデオは、植民地主義を称賛しているのではという批判を受けた為、テイラーは、ビデオの収益を全て寄付することを発表しました。
⑦ 11億回 Shakira featuring Rihanna「Can’t Remember to Forget You」
※ Can’t Remember to Forget You YouTubeより。
第7位は Shakira(シャキーラ)と Rihanna(リアーナ )の「Can’t Remember to Forget You」
コロンビアの歌姫シャキーラの10枚目のスタジオアルバム(※英語アルバムだと4枚目)『Shakira』からのシングルカット曲です。
アメリカでは、ビルボードホット100で28位にチャートインし、その後じわじわと上昇し最終的に15位まで上がりました。
この曲は“貴方の事が忘れられない”という女性の恋心を歌った内容ですが、貴方の為なら盗みも殺しも何だってやるという過激な歌詞もあります。普通に考えたら、相手にそこまで執着するかというような怖い歌でもありますが、こんなにも美しい2人に言われたら、どんな男性でも嬉しいのではないでしょうか。
⑦ 12億回 Taylor Swift「Look What You Made Me Do」
※ Look What You Made Me Do YouTubeより。
第7位タイは Taylor Swift(テイラー・スウィフト)の「Look What You Made Me Do」
この曲は6枚目のスタジオアルバム『Reputation』からのシングルカット曲。
この曲は「あなたがしたことを見ていなさい」という、Katy Parry(ケイティ・ペリー)やKanye West(カニエ・ウエスト)との確執や、連日のゴシップ紙の標的にされるテイラーの恨み節が込められたような内容で、ミュージック・ビデオは2017年 MTV Video MusicAwardsで初公開されました。
確執相手や、ゴシップ紙のネタを随所に散りばめたミュージック・ビデオは、公開初日にYouTubeで4,320万回再生され、当時24時間以内に最も視聴されたビデオとして、ギネス記録にも認定されました。
⑤ 12億回 Eminem「Without Me」
※ Without Me YouTubeより。
第5位は Eminem(エミネム)の「Without Me」
この曲は、エミネムの2002年にリリースされた4枚目のスタジオアルバム『Eminem Show』からのシングルカット曲です。
アメリカ ビルボードホット100 で2位、その他15カ国で1位を記録し、エミネムの最も成功したシングル曲の1つです。最近では、2016年公開の映画「スーサイドスクワッド」のサウンドトラックにも収録されています。
この頃のエミネムのミュージック・ビデオは、ギリギリアウトか完全にアウト(苦笑)な、かなりぶっ飛んだ感じのものが多かったですよね。
ミュージック・ビデオも多くのアワードにノミネートされ、2002年 MTVビデオミュージックアワードでは最優秀ビデオ賞 、最高の男性ビデオ賞、最高のラップビデオ賞、 最高のディレクションを受賞。また、2003年のグラミー賞で最優秀短編ミュージックビデオ賞を受賞しました。
④ 14億回 Taylor Swift featuring Kendrick Lamar「Bad Blood」
※ Bad Blood YouTubeより。
第5位はTaylor Swift(テイラー・スウィフト)がKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)をフューチャリングした「Bad Blood」
「Bad Blood」は、テイラー・スウィフトが2014年にリリースした5枚目のスタジオアルバム『1989』からの4曲目のシングルカット曲です。
作詞・作曲はテイラー・スウィフト、ケンドリック・ラマー、マックス・マーティン, シェルバック。
「Bad Blood」とは”憎しみ“とか”恨み“という意味で、「自分が何をしたか考えてみなさいよ。昔は仲良かったけど、今はもう敵よ!」と、当時テイラーのコンサートのツアーダンサーを引き抜いたことで、険悪な仲になってしまったKaty Perry(ケイティ・ペリー)へ向けた歌ではないかと噂されました。
そして歌詞の内容以上にSelena gomez(セレーナ・ゴメス)、 Cara delev Inge(カーラ・デルヴィーニュ)、Gigi Hadid(ジジ・ハディッド)など豪華なセレブが大勢出演したミュージック・ビデオも話題となり、一時は「テイラー軍団」と呼ばれていましたよね。
※ Joseph Kahn instagramより
MTV ビデオミュージックアワードでは、最優秀ビデオ賞を受賞し、第58回グラミー賞で最優秀ミュージック・ビデオ賞を受賞しました。
※ Joseph Kahn instagramより
③ 17億回 Imagine Dragons「Thunder」
※ Thunder YouTubeより。
第5位は アメリカのポップロックバンド Imagine Dragons(イマジン・ドラゴンズ)の「Thunder 」
2017年にリリースされた、3枚目のスタジオアルバム『Evolve』からのセカンドシングル曲です。
「Thunder」とは“稲妻”とか“雷”という意味で、成功する前の尖っていた頃の自分と、成功手にした今を稲妻に例えて歌っているという内容です。この曲はアメリカビルボードホットチャート100で4位を記録。
ドバイで撮影されたというミュージック・ビデオは、全編モノクロで、ボーカルのDan Reynolds(ダン・レイノルズ)が、未来都市で地球外生命体の間で歌ったり踊ったりするというもの。独特の世界観なので、好き嫌いが分かれそうです。
MTVビデオミュージックアワードでは、アーティストと監督の両者に与えられる“最高のシネマトグラフィー賞”にノミネートされました。
② 22億回 Eminem featuring Rihanna「Love the Way You Lie」
※ Love the Way You Lie YouTubeより。
第2位は Eminem (エミネム)がRihanna(リアーナ )をフューチャリングした「Love the Way You Lie 」
2010年のリリースされ、この年に最も売れたエミネムの10枚目のスタジオアルバム「Recovery」からのシングルカット曲です。
アメリカでは1200万枚以上売り上げ、ビルボードホットチャート 100で1位を記録しました。
エミネムとは3回目にタッグを組んだミュージックビデオは、イギリスの俳優Dominic Monaghan(ドミニク・モナハン)と、アメリカの女優Megan Fox(ミーガン・フォックス)が出演。YouTubeでは、公開初日で660万回視聴され、当時の1日で最も多く視聴されたミュージック・ビデオとして記録されました。
このミュージック・ビデオは多くの賞にもノミネートされ、2010年ピープルズチョイスアワード“好きなミュージックビデオ賞”を受賞しました。
① 28億回 Taylor Swift「Blank Space」
※ Blank Space YouTubeより。
第1位は Taylor Swift(テイラー・スウィフト )の「Blank Space 」
2014年にリリースされた5枚目のスタジオアルバム『1989』からのセカンドシングル。作詞・作曲はテイラー・スウィフト、マックス・マーティン, シェルバック。
歌詞は一見、男女の恋愛について歌っている内容に聞こえますが、これはテイラーが、連日ゴシップ紙に有名人との恋愛を取り沙汰され、傷付いた経験をもとに書かれたもの。
メディアが報道するテイラー像を自虐的に皮肉った内容で、アメリカ ビルボードホットチャートで1位を記録しました。
※ Joseph Kahn instagramより
ロングアイランドのオヒカ城で撮影されたミュージック・ビデオは、Rolling Stone誌の2014年ベストビデオ・トップ10で4位、史上最高のミュージックビデオ100本では67位にランクインし、2015年MTVビデオミュージックアワードでは、“最優秀ポップビデオ賞”と“最優秀女性ビデオ賞”を受賞しました。
※ Joseph Khan instagramより
僕はテイラーとは多くのミュージック・ビデオで一緒に仕事をしてきました。テイラーとの仕事は他のアーティストと違って、いつも実際に映画を撮影しているように感じます。
彼女は編集を非常に理解しているので、緒に仕事をするのはとても楽しいです。彼女はとても親しみやすく、テキストメッセージを送っても必ず返信してくれます。驚くべきことは、彼女がどれほど有名になってもほとんど変わらないことです。これはアーティストにとっては非常にまれです。私は30年近くミュージック・ビデオを作り続けていますが、彼女ほど批判を受けているアーティストは見たことがありません。彼女は本当にいい人です。
なぜメディアは、いつも女性ばかりターゲットにするのでしょうか。ブリトニー、マドンナ、マライアなど、女性がある程度成功を収めると、メディアは彼女達が病院に行かなければならないほど苦しめ、追い込んでいくのです。そして、カムバックストーリーを仕立て「ああ、ブリトニーが帰ってきた!」とお祝いするフリをして、また金儲けをしようとする。男性にはそんなことはしないのに。
テイラーは、そのような事態に自分が陥らないようにと、常に正気を保ち、誠実さを忘れないという姿勢を貫いてます。僕も何年にもわたってメディアに批判されてきたけど、そんな風にしようと思えるまで随分時間がかかりました。僕は45歳で、彼女はまだ27歳なのに、そうゆう姿勢を長年貫いているのは本当に凄いです。
ー ジョセフ・カーン インタビューよりー
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